奈良⇔山形

絵描き、三瀬夏之介の日々諸々。
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無音。
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    米沢まで菌類研究者、清水大典の描いた冬虫夏草図を見にいってきた。
    清水と同郷、秩父出身の椹木野衣さんに導かれ、偶然にも同志、坂本大三郎くんの大井沢でのフィールドワークとの関係を示し、清水を幼少時から知っている学芸員さんとの話しで、これから予想外の広がりを持ちそうな一日となった。

    ルーペを通し、水彩紙に顔彩で、自作の筆により描かれた標本細密画は、対象への新鮮な驚きに溢れつつも、学問としての性質が自己表現を抑制するというこれまでに見たことのない画像体験だった。
    また、キノコの見分け方、食べ方を展示会を通してレクチャーしていたらしく、これは現在も続いていて、ここ東北では切実で本当の意味での展覧会だなと感じ入った。



    山形大学付属博物館では特別展「山を見るひと」が開催されていて、ずっと気になっていた五百澤智也の「山の科学画」を見ることができた。
    地理学者であり山岳鳥瞰図作家でもある五百澤の描く山は、斜面の傾斜、その変わり目、落水線、疎密にタッチすべてが動員されて、航空写真よりもその山の特徴をこちらに伝えてくる。
    その絵がまとう気配は清水大典の冬虫夏草図と同じものだった。

    同じ空間に飾られていた日本の近代風景画に、なんとも言えない虚無感を感じたのは気のせいだろうか。



    そして昨日は農民詩人、木村迪夫の牧野村物語「無音の叫び声」を観に。
    冒頭の、「芸術は芸術家のみが生み出すものであろうか」という問い掛けに、ここ数日の体験が重なった。

    昨年から使用している廃校アトリエ「工房 森の月かげ」の窓の向こうに広がる素晴らしい田園風景が牧野だ。
    ここにドキュメンタリー映画監督、小川紳介が率いる小川プロダクションが移住し、農業を営みながら数々の名作を撮り、山形国際ドキュメンタリー映画際の創設に繋がった。

    たまたま縁あって居るこの場所がどのような古層の上に成り立っているのかが解ったし、東北の小さな村から日本を見つめ、発言する言葉をしっかりともつ木村さんの姿に心打たれた。




    美術というせまい枠を取っ払った地平から多くの表現者たちの叫び声が聞こえる。




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